吉祥寺Mちゃん 最後のお稽古

吉祥寺教室を引き継いで今年で１５年になります。

八王子教室でご一緒させていただいていたA先生のご病気を知ったのは、忘れもしない２００１年同時多発テロの数日前９月９日の仕事帰りでした。

やはり同じ支部の指導者であるご主人先生からお電話があり

『膵臓のね…』

と。私は薬剤師で家族にも医療関係者が多いので『こう言えばもう分かるよね』とばかりに…。分かってしまいました。

翌週から年内は代教という形でレッスンを受け持ち年明けから正式に引き継ぎました。ベテランの先生からまだまだ経験の少ない私への引き継ぎだったにもかかわらず、先生が代わったからという理由で辞めてしまった生徒さんはおらず、これはひとえにA先生のお人柄からなのだろうな…とありがたく感じました。

年齢を重ねて何人もが卒業していきました。中には受験で休んでそのままになってしまったりというパターンもありましたが、そんな中Mちゃんは中学受験も大学受験も経て大学院の今まで１５年続けてくれました。理系だったので勉強や課題が忙しく、おそらく本人的には満足のいくような練習は出来ない日もあったでしょう。でも、なんだかんだ言いながらもクラスコンサートにも参加してくれました。

ここまで続けてこれたのもやはりご家族のサポートもあっての事だと思います。節目節目でうまい具合に声をかけて下さる事で本人にとってもなんとなく『続けるのが当たり前』みたいになっていったのでは、と思います。

今日は最後のお稽古。ご挨拶にと一緒にみえられたお母さまのために２人でドッペルコンチェルトを弾きました。

幸い先月クラスコンサートで弾いたので何とかなりました 笑

最後の最後にお母さまにリクエストをお聞きしたら

『やっぱり…アーモールでしょうかねぇ』

と感慨深げに。やはりそうですよね。

Mちゃん、長い間ありがとう。コンサートには弾きに来てね！