ヴァイオリンって大人でも弾けるようになる?【クラスの大人生徒さんの場合】
ここ数年生涯学習として新たな挑戦をする大人の方が多くなりました。
そんな中で選ばれやすいのは…スポーツでしょうか?例えばテニスとか?道具さえあれば誰でもスタートできそうです。
そして興味はあるものの敬遠されがちなのが楽器演奏ではないでしょうか。
『やってみたいけど…難しそう…』
『どれだけ練習しても弾けなかったらどうしよう…』
そんな声が多く聞かれます。
ご安心ください!私たちスズキ・メソードは幼児教育の色が強いですが、実は「大人のスズキ」という活動にも力を入れています。
(スズキ・メソード公式サイトより)
今日は、大人でレッスンを始めたいと思っておられる方が不安に思うことにお答えしていきたいと思います!
ヴァイオリンは大人から始めても弾けるようになるの!?
結論から言えば「なります!」
ただしどこまでを望んでいるかにもよります。ステージで演奏する演奏家のように素晴らしいパフォーマンスを身につけるにはやはり早い時期からの取り組みが必要です。
そうではなくて、憧れの曲をちょっとヴァイオリンで弾いてみたい、とか子どもが習っているので一緒に合奏してみたい、などの場合はとにかく自分が楽しめたらそれが「弾けた!」ということです。
確かにヴァイオリンを良い姿勢で弾くのはなかなか大変です。正しい位置で楽器を持たなければ綺麗な音が出ませんよね。
また右手で持っている弓。これの持ち方から扱い方から…全部不可能に見えます。
でもたとえ難しそうに見えるヴァイオリンでもきちんと基礎から教われば不可能が可能に変わります。子どもたちがスラスラと弾いているのを見ればそれは証明されていますよね?
『いやいや、子どもたちのようにはいかないよ…』
と思われるかもしれませんがなぜでしょう?子どもたちだって最初は「はじめて」です。
子どもと大人の何が違うかといえばヴァイオリンの練習に割ける時間の量と柔軟な身体ではないかと思います。
時間に関してはお仕事の合間のおけいこというのではどうしても子どもには追いつけません。なので同じことができるようになるまでにはより多くの月日がかかることになります。これは仕方ないですね…
また、大人になると身体があちこち硬くなってきますので、そのためヴァイオリンを持つときにちょっと捻る左手など苦労することになります。ここに関してはどこかが痛いような持ち方でヴァイオリンを弾いても楽しくもなんともないので、ある程度の姿勢でいいことにするのもひとつです。
ただ、左手をしっかり内側に持ってこられない場合は高いポジションを使えないので、弾ける曲に制限ができてしまいます。なので少しずつでもいい姿勢に近づくように練習していけるといいですね。
このように時間はかかるかもしれませんがヴァイオリンは大人になってから始めても絶対に弾けるようになります!
ヴァイオリンって高いんじゃないの?
大人でヴァイオリンを始めたいと思われる方で「ストラディバリウス」という名器の名前を知らない方はいないのではないでしょうか。多くの演奏家の憧れでもあるこのヴァイオリンは数十億(!)の価値があります。
そんな天井知らずのヴァイオリンですがもちろんそんなものすごいモノを手に入れる必要はありません。
街の楽器屋さんで手に入るヴァイオリンはもっとお手頃価格で数万円から扱いがあります。
といっても…
『どうせ大して弾けないんだから…』
と安い楽器を買うのはオススメ出来ません。
なぜなら楽器の弾きやすさはある程度値段と関係があるからです。見た目は確かにヴァイオリンではあるけど音はオモチャみたい…というような楽器を選んでしまうと初めの音出しから苦労することになります。
まずは弓を動かしたら素直にスーッと音が出た方がやる気になれますよね!
また音程のハマり具合も違います。いざ指を使うようになった時にヴァイオリンを響かせられないのは安い楽器です。それなりのモノであれば「ここらへん?」くらいで指を置いても結構綺麗な音が出せます。
こうしたヴァイオリンの特徴を踏まえて、あとは予算内で最高の楽器を手に入れるべく先生と相談しましょう。楽器選びは必ず分かっている方のアドバイスを受けた方がいいです。楽器屋さんも「分かっている人」のうちのひとりと思うでしょうがそこは商売
『今月はこれを売りたいな〜』
という思惑がないとは言えません。言われるがままに高額の楽器を買ってしまわれることのないようお気をつけください!
クラスの大人生徒さんの場合
ここからは私のクラスでヴァイオリンを習っている大人生徒さんのケースをご紹介していきます。
私のクラスでは現在3名の大人生徒さんがヴァイオリンを習っています。1番お付き合いが長いのは吉祥寺教室のOさん。そして次に国分寺教室のNさんと国領教室のSさん。
おひとりずつどのようにヴァイオリンに取り組まれているかみていきたいと思います。
吉祥寺教室 Oさん
Oさんはお子さんがヴァイオリンのレッスンを始めた時に同時にスタートされました。
実は私は吉祥寺教室へは引き継ぎの指導者として入りましたので、Oさんの始まりを知らないのですが、その時点で教本の5巻くらいまで進んでいたのでかなり熱心におけいこして下さる生徒さんだといえるかもしれません。
スズキの節目節目で行なわれる卒業の録音も全てこなしきちんと提出していました。
Oさんは学校の先生でいらして、今の学校現場を考えたらとても忙しいお仕事をしている傍らヴァイオリンの練習をするのは大変だろうと思います。
それでもOさんは大人対象のエトワールコンサートに第1回から今年まで欠かさず参加して下さっています。皆勤賞を続けて下さっている中のおひとりです。
ご本人はもともと音楽の先生でピアノを弾かれるので楽譜を読むことには何も問題はありません。ただ指番号が微妙にズレているのでそこで苦労なさっています。
『そこは3の指(薬指)を使って下さい…3です。』
なぜか中指が出る。
『それはピアノの3〜 笑』
というようなカンジ。
ヴァイオリンはもうだいぶ長く弾いていますがどうやらしっかりと染み付いた習慣はなかなか直せないようです。
国分寺教室 Nさん
お子さん2人を私のクラスに通わせついにはご自分も始められました。
学生時代にオーケストラでヴァイオリンを始め、その時に
『これはちゃんと習って弾けるようになりたい!』
と思い当時もレッスンに通われたようです。
そして大人になり子どもたちを習わせるようになり、再び「やろう!」と決心してクラスに加わったのが一昨年でしょうか。役所でのお仕事の傍らおそらく子どもたちよりも多く練習していると思います。
もともとかなり弾けるところまでおやりだったので初歩のところはスイスイと進みました。昨年初めて大人のコンサートにも出演なさいました。曲の完成度も高く技術のある方です。
まだ教本の曲をおけいこしていますが、そのうちには弾きたい曲を自由に弾けるようになられると思います。
国領教室 Sさん
ヴァイオリンのレッスンをスタートなさるまで数年悩まれて始めました。
というのも、お子さんがまだ小さかったこともあり自分の練習よりも子どもさんの練習に時間がかかると心配してのことでしょう。
こちらは本当にヴァイオリン初心者でいらして、弓の持ち方から楽器の持ち方から…すべてイチからおけいこが始まりました。
ただ子どもさんの家でのおけいこにしっかり深く関わって下さっていたので姿勢や弾き方については改めて多くを言わなくてもご理解されています。そしてそこに「弾きたい!」という気持ちが強くありますので無敵です。
とはいうものの…ヴァイオリンの持ち方は一筋縄ではいきません。初めのうちは楽器がいいポジションに収まるまで時間がかかります。
でもそこにしっかり時間をかければいざ音を出す時になっても割とすぐに素直に音が出ます。とにかく姿勢は大事です。持ち方はどんなでも音が出ればなんとかなる…ということはありません。
昨年ヴァイオリンのレッスンを始めてすぐに大人コンサートを観にきて下さいました。
その時は始めたばかりだったので自分がステージに立つなんて思いもよらなかったでしょうが、なんと今年のコンサートで早くもデビューを果たしました!
しかもチョロチョロっと短い曲を弾くのではなく教本で言えば2巻のヘンデル作曲ブーレ。デビュー戦とは思えないほどの立派な演奏を披露して下さったSさん。気持ちよかったでしょうね!
これは初心者としては早い方です。なぜこんなことができたかと言えば、それはやはりヴァイオリンへの思いが強かったからだと思います。もちろん練習量も違ったかもしれません。でもそれも思いの強さからくるものです。
Sさんの場合はまだ初歩ともいえるので少し頑張ったらそれは手応えとなって自分にかえってくるのでさらに練習に向かう気持ちになれると思います。
ヴァイオリンにどれだけ時間を使えるかにかかっている?
大人の方は仕事や子育ての合間に練習するしかありません。いつでも時間が取れる訳ではないので、その時間をどのように使うかが重要です。
子どもたちは大体「家のおけいこしたくない」と思っています。なぜなら「自分から始めたことじゃないから」。たいていは親が習わせようと思って連れていらっしゃいますから。
その点大人の場合は自分がやりたくて始める方がほとんど。
ヴァイオリンを弾けるようになるには練習しなければならない、これは大人なら誰でも分かっていることですよね。
もしも
「練習しないでも弾けるようになるのか?」
ということでしたらそれは『なりません』と答えるしかないです。練習はしなければなりません。
生活の中でそれぞれ使える時間には違いがありますので、ご自身で可能な限りの努力を惜しまなければ
「ヴァイオリンは初心者の大人の方でも必ず弾けるようになります」
と自信を持ってお伝えできます。
やりたい時が始めどき、いつからでも可能です。どうぞ少しでも興味があったら諦めないで挑戦してみて下さい!
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