スズキ・メソードの教室ではどんな行事がおこなわれているの?
スズキ・メソードには大きいところ小さいところさまざまな規模の教室があります。
規模の違いの要因としては教室の立地条件や地域差などが挙げられるでしょう。
生徒がどこに所属するかの決め手は通いやすさが大きな目安になると思いますが、中には行事が多い方が良いと考えてあえて最寄りではない教室を選ぶという方もいます。
夏期学校やグランドコンサートといった全国規模のイベントのほかには、各教室ではどんなことが行なわれているのでしょうか。今回はスズキ・メソードの教室で行なわれる主な行事を紹介していきます!
教室独自のコンサート
スズキ・メソードの教室ではほとんどのところで各教室単位でのコンサートが行なわれています。その頻度は教室の大きさによってまちまちですが毎年行なっているところと数年に1度のところとあります。
何人もの指導者が日々レッスンを担当している教室が多く集まるところは「支部」といい、コンサートの名称も「〇〇支部コンサート」などとなります。
こうした大きな「支部」であれば資金が多く集まるため年に1度の頻度でコンサートを開くことができますが、そうでないところは費用が貯まるまでは簡単に開催できないのが現状です。
コンサートに向けての関連行事
このコンサートに向けて、例えばスズキ・メソード八王子支部では6月には合奏曲の練習、7月コンサート直前にはピアノ合わせという関連する行事が開かれます。
こうした支部コンサートの時には指導者の枠を越え、他クラスの生徒とグループを組み当日演奏します。
多くの指導者が所属している支部ではこうしたことが横の繋がりを作る良い機会となり、生徒もお互い切磋琢磨して練習に取り組むことができます。
他の楽器科と一緒に演奏することも音楽的感性を高めることになっていきます。4種類の楽器科が揃う支部ではとても良い刺激となります。
弦楽合奏の実施
スズキ・メソードでは他科との交流を活かす意味でも弦楽合奏を取り入れています。
あまり多くはありませんが支部単位で弦楽合奏団を持っているところがあります。こうした支部では数年に1度(主に2年に1回の頻度)で演奏会を開催しています。
まだ参加できない小さい子どもたちもこの弦楽の演奏会を見て憧れ、自身もここに所属して演奏したいと感じるようになります。
弦楽の勉強をすることは楽譜の理解にも繋がり、読譜に弱いと言われているスズキの生徒たちの学習の助けになっています。
また人と演奏することは互いを思いやりよく感じ取りながらでなければ上手くできませんのでその点でも協調性を伸ばす良い訓練になっています。
ただ弦楽団を持たない支部教室でも小規模のアンサンブルをするなどの方法で読譜を補っているところがほとんどなので、弦楽団がないからといってダメだということにはなりません。
弦楽合奏団の関連行事
こうした弦楽団を持つ支部では合宿を行なっているところがあります。
全員で宿泊し朝から晩まで練習漬けです。こうした取り組みによって仲間が増え腕前も向上し、コンサートで大人顔負けの堂々たる演奏を披露することができるようになっていきます。
コロナ禍では合宿は控え、少し遠出しての集中練習を行ないました。こうした工夫も指導者のアイディアで行なわれています。
このような行事には時には小学生での参加もあり自立の第一歩にも繋がっていきます。こうした経験ができるのもスズキ・メソードならではでしょう。
日々の会議
スズキ・メソードの各支部各教室では保護者を交えての会議が開かれます。
支部コンサートなどのイベント時には保護者の協力は欠かせません。指導者だけで行事を作るのは難しいためこうして会議を開き協力をお願いしています。
共働き家庭の多い昨今、保護者との会議を縮小化しているところもあるようですが、このように集まって会議することで先生と親とで共に子どもたちを育てているのだという意識が持てることは重要だと考え、いまだにこうして会議を開く支部もあります。
ただし、この会議に出られないという保護者が引け目を感じてしまうことのないよう全員で気を配り、誰もが重要なメンバーの一員であるということを常に意識しています。
支部総会の開催
日々の会議のほか、大方の支部では「支部総会」を開催しています。
スズキ・メソードの教室はどこも独立採算で運営されています。そのため会員から預かった会費が適正に使用しているかのチェックは常に必要です。
総会では予算案の採決や支部行事の確認などが行なわれます。
また年によっては総会に合わせてバザーを行ない売り上げを支部へ計上しています。
前述のように支部は独立採算で運営していますので常に資金作りの施策を考えています。このバザーもその一貫となります。
指導者自らもエプロンを付け喫茶のお手伝い。このように指導者は保護者と同じ目線に立って支部運営に携わっていくのがスズキの教室の特徴です。
バザー時には指導者の演奏などの演出もあり楽しい時間を過ごすことができます。ただの音楽教室ではこんな経験はできません。これもスズキならではの取り組みではないでしょうか。
その他の行事
卒業制度
スズキ・メソードにはある段階を終えると録音を提出しレベルの認定をするという「卒業制度」があります。
毎年秋の〆切に向け、対象となる生徒はいつも以上に真剣に曲に取り組みます。この卒業制度は生徒にとっての意欲づくりとなり、次へのモチベーションアップへと繋がっていきます。
中には日々の生活が忙しく上手く練習時間が取れない生徒もいますが、そのような場合でも指導者とよく相談し無理のない範囲でとにかく録音はするようにしています。
その時はつらくてもそれを乗り越えたという事実はかならずあとから活きてきます。あきらめなかった自分に自信が持てるようになります。
卒業演奏会
教室によっては春に「卒業演奏会」を行なっているところがあります。
無事に卒業検定を受けた生徒たちが検定曲を演奏し卒業証書を受け取ります。
こうした演奏会はあるところとないところがありますが、立派な色紙の卒業証書は全員が受け取れるものです。
クリスマス会
スズキ・メソードの支部によってはクリスマスにコンサートを行なうところもあります。
国分寺支部のクリスマス会では支部コンサートでは合奏のみで参加した生徒も、ひとり一人独奏をします。始めたてのお子さんにとっては初のソロ演奏となります。
支部コンサート等に比べれば小さな舞台ですが、大勢のお客さまを前に堂々と演奏する我が子の姿を親御さんも誇らしげにご覧になっています。
またクリスマス会ではプレゼント交換も行なわれ普段と違ったコンサートの雰囲気を子どもたちも楽しむことができます。
規模の小さい教室ではコンサートはせずグループレッスンの中でこうしたお楽しみをいれていくところもいくつもあります。
行事が多くても少なくても大丈夫!
このようにスズキ・メソードにはいくつもの行事があるところとそれほどでもないところとあります。
この違いは各教室が独自の予算を組み運営されているからなのです。規模の大きなところはいくつもの行事を行なうことができます。
ただ、必ずしも行事が多ければ良いということでもなく、お子さんによってはそうした事が苦手な場合もあります。
例えば少し年齢があがってからレッスンをスタートした場合、同じ曲を弾く周りのお子さんはみな年下になります。そんななか本人がその子たちと並んでステージにのぼることを望んでいるか分かりません。
スズキ・メソードは大勢での合奏が特徴のひとつですがゆっくりと自分のペースで習いたいというお子さんにももちろん対応いたします。
長くレッスンを続けるには本当にお子さんに合ったところで始めることをおすすめしますが、スズキ・メソードの各教室にはそれぞれ特徴がありますのでどうぞ気軽にご見学ください!
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